2021年LIFULL HOMES 借りて住みたい街ランキング 【2位 大宮・7位 蕨】

「借りて住みたい街」ランキング 総評

1位は「本厚木」 4年連続1位の「池袋」 は5位に後退し“郊外化”傾向が明らかに

首都圏「借りて住みたい街」ランキングは、前回から大きくランキングの顔ぶれが変動しました。

前回まで4年連続で1位となった「池袋」に代わって栄冠に輝いたのは「本厚木」、2020年9月に公表したコロナ禍での緊急調査での結果を維持して1位を獲得しました。「本厚木」は前回4位にランクされており、居住環境と都心方面へのアクセスの良さ、手頃な相場家賃などから、都心・近郊エリアが軒並み順位を下げるなか、トップに躍り出ました。

賃貸需要は従来、都心・近郊でどこに移動するにも便利であること、生活利便施設がそろっていて買い物や飲食などに困らないこと、通勤・通学だけでなく余暇を過ごす際にも便利であることなどが人気の条件として挙げられており、前回まではこれらの条件をバランスよく満たしているエリアの名前が上位を占めていました。それが、コロナ禍によって賃貸ユーザーの意向に大きな変化が発生し、感染リスクのより低いエリアに転居したい、またテレワークの実施で毎日通勤しないのであれば、家賃相場が比較的安価な郊外方面で生活したいという要望などが顕在化したものと考えられます。

ちなみに今回1位の「本厚木」は1LDKの2020年家賃相場が68,890円であるのに対して、前回1位&今回5位の「池袋」は133,516円と2倍近くの差があることからも、利便性最優先でなくなればコストを考慮して郊外方面での生活をイメージする賃貸ユーザーが増えることが想定されます。

この“郊外化”については、4位の「八王子」(前回7位)、6位「千葉」(同14位)、9位「柏」(同16位)、13位「船橋」(同21位)、17位「川口」(同32位)、21位「津田沼」(同34位)、27位「平塚」(同40位)などが大きくランクアップして上位に登場してきたことも、同様の現象と考えることができます。

上位以外では、前回調査で141位だった「木更津」が41位に、117位だった「湘南台」が53位に、134位だった「茅ケ崎」も62位とベスト100圏内に上昇しており、ここでも賃貸ユーザーの郊外化傾向が顕著です。

対照的に、5位に後退した「池袋」を始めとして、「川崎」(前回3位→今回10位)、「荻窪」(8位→15位)、「三軒茶屋」(6位→16位)、「吉祥寺」(9位→18位)、「北千住」(10位→23位)など、これまで都心周辺の人気だったエリアが軒並みランクダウンとなりました。

このコロナの影響による“郊外化”の傾向はまさにコロナ禍での一過性のものなのか、それともこれを契機としてテレワークやオンライン授業が定着し、都心集中が薄らぐなかで賃貸ユーザーのエリア選択に本格的な変化が生じるのか、今後の動向に注目です。

LIFULL HOMESより掲載

2021年LIFULL HOMES 住みたい街ランキング

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